ROUNDUP関数とCEILING関数 -違いと使い分け-
本記事では『【ROUNDUP関数とCEILING関数】の違いと使い分け』について解説します。
まず、Excelの関数を整理します:
- 「切り上げ」:ROUNDUP関数/CEILING関数/CEILING.MATH関数
- 「四捨五入」:ROUND関数
- 「切り捨て」:ROUNDDOWN関数/FLOOR関数/FLOOR.MATH関数
ROUNDUP関数とCEILING関数は似た機能を持っていますが、
それぞれの使い方と違いについて詳しく見ていきましょう。
なお、CEILING.MATH関数も「切り上げ」関数の一つですが、
これら二つの関数は大まかには同じ機能を持っているため、
本記事ではROUNDUP関数とCEILING関数の比較に焦点を当てています。
目次
各関数の違い
第2引数が違う:「桁数」と「基準値」
ROUNDUP関数とCEILING関数ともに、
類似した「機能」を持ち、両方とも二つの引数を持ちます。
そして、第1引数は「数値」です。
しかし、
第2引数の引数名が違います(「桁数」と「基準値」)。
各関数の構文を整理しました。
なお、さらに詳しい構文解説は別記事を参照してください。
(「整理中」と表示される場合は、データ分析ドットコムの検索ボックスから検索してみてください)
- 整理中
- 整理中
ROUNDUP(数値, 桁数)
機能:
- 数値を桁数で切り上げ
引数:
ROUND 関数 – Microsoft サポート より改変
- 数値(必須)
- 切り上げしたい数値を指定します
- 桁数(必須)
- 切り上げする桁数を指定します
- 正の数を指定する場合は、小数点以下の桁数を切り上げ
- 負の数を指定する場合は、整数部分の桁数を切り上げ
CEILING(数値, 基準値)
機能:
- 数値を、指定した基準値の倍数値に切り上げる関数
引数:
CEILING 関数 – Microsoft サポート より改変
- 数値(必須)
- 切り上げたい数値を指定
- 基準値(必須)
- 倍数の基準となる数値を指定
第2引数の違いによる挙動
ROUNDUP関数とCEILING関数は、構文と引数ともに、かなり類似していますが、
第2引数の違いによって、挙動に差異が生まれています。
その差異は・・・
単位での切り上げ
または、
小数点以下の切り上げ
のどちらかです。
単位での切り上げ:ROUNDUPとCEILINGの挙動
例えば、ある商品の価格が1234円であり、この価格を100円単位に切り上げる場合、
挙動の違いを確認してみましょう。
ROUNDUP関数では、第2引数に -2を指定すると、1300円に切り上げられます。
CEILING関数では、第2引数に100を指定すると、1300円に切り上げられます。
CEILING関数の方が直感的に分かりやすいのではないでしょうか。
=ROUNDUP(”1234”, -2) -> 1300
=CEILING(”1234”, 100) -> 1300
もし、CEILING関数と同様に、ROUNDUP関数の第2引数に100を指定すると、1234円になります。
ROUNDUP関数は第2引数「100」桁を指定し、小数点以下の第100桁目で切り上げされるためです。
=ROUNDUP(”1234”, 100) -> 1234
なお、CEILING関数では第2引数にマイナス値を指定できないため、NUM!エラーが返ってきます。
=CEILING(”1234”, -2) -> #NUM!
小数点以下の切り上げ:ROUNDUPとCEILINGの挙動
例えば、ある商品の価格が1234.56円であり、この価格を小数点以下を切り上げる場合、
ROUNDUP関数とCEILING関数の挙動の違いを確認してみましょう。
ROUNDUP関数では、第2引数に 0を指定すると、1235円切り上げられます。
CEILING関数では、第2引数に1を指定すると、1235円に切り上げられます。
ROUNDUP関数の方が直感的に分かりやすいのではないでしょうか。
=ROUNDUP(”1234.56”, 0) -> 1235
=CEILING(”1234.56”, 1) -> 1235
もし、ROUNDUP関数と同様に、CEILING関数の第2引数に0を指定すると、0円になります。
CEILING関数の第2引数「基準値」に0の倍数値だからです。0の倍数値は0だからです。
=CEILING(”1234.56”, 0) -> 0
なお、CEILING関数では第2引数にマイナス値を指定できないため、NUM!エラーが返ってきます。
=CEILING(“1234.56”, -1) -> #NUM!
各関数の違い使い分け
データ分析ドットコムでは、「各関数の使い分けのガイドライン」を作成してみました。
ROUNDUP関数とCEILING関数を使い分けする際の1つの指針として参考にしてみてください。
つまり、「単位」で切り上げたいか、「桁数」で切り上げたいかの違いとなります。
なお、ROUNDUP関数は第2引数にマイナス値を指定できるが、CEILING関数はマイナス値の指定ができません。
「単位」で切り上げたい場合
例えば、100円単位、10分単位、10歳刻みなど切り上げる単位が決まっている場合は「CEILING関数」です。
ROUNDUP関数でも可能だが、CEILING関数の方が直感的に分かりやすいのではないでしょうか。
「桁数」で切り上げたい場合
例えば、小数点以下を切り上げたい場合などです。その場合は、「ROUNDUP関数」です。
CEILING関数でも可能ですが、ROUNDUP関数の方が直感的に分かりやすいと言えるでしょう。
最後に
ROUNDUP関数とCEILING関数の違いと使い分けに関して、解説しました。
つまり、単位」で切り上げたいか、「桁数」で切り上げたいかの違いでした。
「単位」で切り上げたい場合はCEILING関数、
「桁数」で切り上げたい場合はROUNDUP関数を使用すれば良いでしょう。
参考記事:
Excel関数を操作するための基本概念です。基本概念を理解すると、各関数の理解がより深まります。
構文に関する記事
Excel関数の引数と戻り値は何だっけ?という時に、役立つ記事です。
ダイアログボックスの使い方に関する記事
Excel関数名は何だっけ?VLOOKUP関数の使い方は何だっけ?という時に、ダイアログボックスを使うと便利です。
下記はそのダイアログボックスに関する記事です。
参照形式に関する記事
関数式をコピーする時はどうしたらいい? $マークは、どう付けたらいいだろう?
といった悩みをお持ちの方は以下をご覧ください。