【NOT関数】使い方と解説

ExcelのNOT関数は、論理式が真の場合、FALSEを返し、論理式がFLASEの場合はTRUEを返します。
NOT≒否定語ですので、条件が一致しない場合にFLASEを返す関数です。IF関数や条件付き書式と組み合わせるケースが多いです。本記事では、NOT
関数の説明と文法、使用例、IF関数との組み合わせ例を紹介します。また、Excel関数のダイアログの使い方も解説しています。

はじめに

本記事はNOT関数を解説します。
関数は論理関数の一種です。

NOT関数は、IF関数と組み合わせたり、条件付き書式で使用したりします。

 機能別(大分類)機能別(中分類)説明
組み込み関数検索/行列関数検索したり、セルの情報を取得する
統計関数平均値、最大値/最小値、中央値などを求める
数学/三角関数四則演算、切り捨てや切り上げ、四捨五入などを行う
互換性関数Excel2010以降で、アップデートされた関数。Excel2007は「数学/三角関数」に該当する
データベース関数条件指定をしながら、平均値、最大値/最小値など、検索を行うことができる
条件指定できる統計関数/検索行列関数のイメージ
ただし、統計関数/検索行列関数の全関数が条件指定できるようになったわけでない
日付と時刻の関数日付に関する処理を行う。例えば、現在の日付、曜日、時間などを取得する
情報関数セル情報、シート情報、データの情報、エラー情報などの”情報”を取得できる
論理関数IF関数、AND関数、OR関数などの論理関数を扱うことができる
文字列関数文字列に関する操作を行う。例えば、文字列の結合、置換、取り出し、全角化/半角化などが行う
財務関数ローンや積立貯蓄の計算、投資期間と利率、減価償却費などを財務に関する計算を行うことができる
エンジニアリング関数単位の変換、数値の単位、記数法の変換、特殊な計算を実施することができる
キューブ関数「キューブ」から、データ構造や集計値などを取得するができる
 ※「キューブ」とは、Microsoft SQL Server Analysis Servicesの分析用データ一式を指す
Web 関数Webサイトから、文字列やデータなどを取得する
ユーザー定義関数ユーザー自身で作成できるオリジナル関数
表1 Excel関数の種類の説明

NOT関数の説明

ExcelのNOT関数は、論理式が真の場合、FALSEを返し、論理式がFLASEの場合はTRUEを返します。
NOT≒否定語ですので、条件が一致しない場合にFLASEを返す関数です。

NOT関数の文法(型と引数)

NOT(論理式)

説明:

  • 論理式が真の場合、FALSEを返し、論理式がFLASEの場合はTRUEを返す

引数:

  • 論理式(必須)
    • TRUE または FALSE に評価できるテスト対象の 条件を指定する

NOT関数の使用例

次のようなサンプルデータを用いて、NOT関数の使用例を解説します。

NOT関数の使用例
TRUEを返す場合

NOT(B2>=10) –> TRUE

B2>=10は偽のため、関数式はTRUEを返します。

B3>=10は、NOTですか?」
「はい、そうです(TRUE)」
といったイメージで考えた方が分かりやすいよ。

尚、「B3>=10がNOT」とは、B3>=10を否定しているのだから、反対の意味になる。
つまり、「B3<10ですか」と聞いているのと同義になっているよ。

FALSEを返す場合

NOT(B3>=10) –> FALSE

B3>=10は真のため、関数式はFLASEを返します。

今回であれば、
B3>=10は、NOTですか?」
「TRUEです(はい、そうです)」ということになるんだよ。

NOT(B4>=10) –> FALSE

B4>=10は真のため、関数式はFLASEを返します。

今回であれば、
B4>=10は、NOTですか?」
「FALSEです(いいえ、違います)」ということになるんだよ。

IF関数と組み合わせ例

NOT関数は、IF関数や条件付き書式と組み合わせるケースが多いです。
本記事では、IF関数との組み合わせ例を紹介します。

例えば、ある商品の在庫数が一定の条件を満たしていない場合にのみ、購入不可と判断することができます。
以下は、在庫数と価格が条件を満たしていない場合に「購入不可」、そうでなければ「購入可能」と表示する例です。

在庫数が10以上でない場合、”購入不可”というテキストが返されます。
それ以外の場合、”購入可能”というテキストが返されます。サンプルデータは次図です(再掲)。

NOT関数の使用例

IF(NOT(B2>=10),”購入可能”,”購入不可”)
IF(NOT(B3>=10),”購入可能”,”購入不可”)
IF(NOT(B4>=10),”購入可能”,”購入不可”)

上記の式では、B列に在庫数、C列に価格が入力されていることを前提にしています。

B2>=10は「在庫数が10以上である」という条件を表し、それがNOTC2<=1000は「価格が1000円以下である」という条件を表しています。
この条件がNOTであれば、IF関数で「購入可能」と表示されます。そうでなければ、「購入不可」が表示されます。
NOT関数は「NOT関数の使用例 -TRUEを返す場合-」「NOT関数の使用例 -FALSEを返す場合-」の例題の式と同様のため、
詳しく解説はそちらを拝見ください。

結果、下図の通りになります。

次のようなサンプルデータを用いて、NOT関数の使用例を解説します。
IF関数との組み合わせ例。

IF関数の構文 – 単一条件の場合 -DL可

IF関数は、IFを訳すと、「もしも」であり、条件を示す関数です。「もしも、〇〇〇ならば、〇〇。もしも、違うならば、〇〇」といったように、 条件に応じて処理を変更した…

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NOT関数の考え方とAND関数の関係

フクロウの吹き出しで説明していますが、改めて整理します。

NOTは否定語です。つまり、論理式を否定しています。
それを踏まえて、引数と戻り値の関係を整理します。

引数: 「B3>=10は、NOTですか?」
戻り値:「TRUEです(はい、そうです)」 、または、「FALSEです(いいえ、違います)」

また、NOTは否定語のため、逆の意味になります。したがって、次の内容と同義になる点も理解しておくと良いと思います。

引数: 「B3<10ですか?」
戻り値:「TRUEです(はい、そうです)」 、または、「FALSEです(いいえ、違います)」

ならば、NOT関数を使用せず、B3<10という直接聞けばいいんじゃない?という質問が飛んできそうです。
本具体例であればその通りです。
複数の条件をまとめて否定したい時に、NOT関数が役立つことがあります。
ただ、説明が複雑になるため、本記事の具体例はシンプルになっています。

NOT関数を使用せず、B3<10という直接聞けばいいんじゃない?と思う方もいると思うんだ。
本具体例であればその通りなんだ。
しかし、説明が複雑になるため、本記事の具体例はシンプルになっているだけで、
複数の条件をまとめて否定したい時に、NOT関数が役立つことがあるんだよ。

最後に

NOT関数は、論理式が真の場合、FALSEを返し、論理式がFLASEの場合はTRUEを返す関数でした。
また、IF関数や条件付き書式など、他の関数と組み合わせて使用することが多いため、理解しておくと役に立つでしょう。

ぜひ、Excel関数を積極的に活用してみてください。

参考記事

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