MIN関数の構文 – 数値の最小値 – DL有

MIN関数の構文 - 最小値 -

Excelを使用する際、最小値を取得することがよくあります。
このような場合に便利なのが、MIN関数です。

MIN関数を使用することで、手動で数値を比較する必要がなくなります。

例題

Kaggleで公開されているビデオゲームの売上データ「vgsales.csv」の「NA_Sales」~「Other_Sales」の各々の最小値を算出してみます。

サンプルデータ

オリジナルデータ

今回利用するサンプルデータは、Kaggleで公開されているビデオゲームの売上データ「vgsales.csv」です。

vgsales.csv Video Game Sales

Video Game Sales.”Video Game Sales” .https://www.kaggle.com/datasets/gregorut/videogamesales, (2024/01/16)

以下、データ項目(変数)です。

  • Rank – 全体の売上高ランキング
  • Name – ゲームの名前
  • Platform – ゲームが発売されたプラットフォーム(例:PC、PS4、など)
  • Year – 発売された年
  • Genre – ゲームのジャンル
  • Publisher – ゲームのパブリッシャー
  • NA_Sales – 北米での売上高 (単位: 百万円)
  • EU_Sales – 欧州での売上高(単位:百万ドル)
  • JP_Sales – 日本での売上(単位:百万ドル)
  • Other_Sales – その他の地域での売上高(単位:百万ドル)

解答付きサンプルデータ

解答付きサンプルデータが欲しい方は、下記からダウンロードしてください。
なお、オリジナルデータから一部改変しています。

解答

NA_Salesの最小値を算出する場合は、次のようなMIN関数式になります。

=MIN(G2:G16599)

上記MIN関数式を、列方向へコピーすると、
「EU_Sales」「JP_Sales」「Other_Sales」の最小値も算出できます。

算出された各々の最小値は次図の通りです。

解説

ざっくり解説

関数の構文は以下です。

=MIN(数値1, [数値2], …) 


なので、数値部分に、最小値を算出したいセル範囲を指定できるだけです。

「ざっくり解説」で分からない方は、次の「くわしく解説」をご覧ください。

くわしく解説

解説を読む前に、巻末の参考記事もチェックしておくと良いため、時間があれば覗いてみてください。

MIN関数とは

Excel標準機能の[関数の挿入]ダイアログ/[関数の引数]ダイアログを大体のことは書かれているので、
活用して詳しく解説します。

ダイアログの使い方は、巻末の参考記事を参照していただければと思います。

MIN関数とは

引数の最小値を返します。論理値および文字列は無視されます。

[関数の挿入]ダイアログより

「MIN」は「最小」という意味です。

その名の通り、最小値を算出します。

引数は「論理値および文字列は無視されます。」と書いてある通り、以下の点に注意してください。

当たり前のことですが・・・

  • 範囲内の数値以外は無視されます
    (数値以外のデータでは、最小値を算出できないからです)
  • 複数の数値が必要です
    (数値1つでは、最小値を算出できないからです)

MIN関数の構文

MIN関数の構文

=MIN(数値1, [数値2], …) 

第1引数:数値1
MIN関数の第1引数

数値1: 数値1: 数値 1 ′数値 2 ′…には最小値を求めたい数値、空白セル、論理値、または文字列番号を、 1 ~ 255 個まで指定できます。

[関数の挿入]ダイアログより

何やら難しく書いていますが、

引数に数値が入力されていればOKです。

数値と書かれていると、直接数値を入力することしかできなそうですが、

セル範囲を指定しても問題ないですし、定数、関数でもOKです。

あくまでも、数値が引数に渡されていればOKという話です。

第2引数:数値2
MIN関数の第2引数

数値2: 数値1: 数値 1 ′数値 2 ′…には最小値を求めたい数値、空白セル、論理値、または文字列番号を、 1 ~ 255 個まで指定できます。

[関数の挿入]ダイアログより

第1引数と同じです。

MIN関数の入力結果

すると、
「NA_Sales」の平均値を算出する関数式が完成しました。

「NA_Sales」の平均値を算出する関数式の入力セルを列方向へコピーすると、
「EU_Sales」「JP_Sales」「Other_Sales」の最小値も算出できます。

ちなみに、

非連続データを指定した場合のダイアログは以下となります。

MIN関数の入力結果 非連続範囲

フォローアップ

外観上は数値のケース

SUM関数では、”引数に文字列を設定してならない”と記載されています。

ただし、外観上は数値の場合には正常に動作します。

例えば、以下の2つのケースではどちらも「999」という値が数値に見えます。

しかし、2行目の「999」は書式が文字列です。

本来ならばルール違反であり、関数はエラーを返すべきですが、
実際には正常に動作します。

おそらく、裏で数値変換が行われているものと考えられます。

そのため、書式が文字列でも外観上数値であれば、正常に動作するようです。

最後に

ExcelのMIN関数は、数値データから最小値を求めるための便利な関数です。

本記事で解説したように、引数の指定方法や書式に注意しながら使うことで、
簡単に最小値を求めることができます。


参考記事

Excel関数を操作するための基本概念です。基本概念を理解すると、各関数の理解がより深まります。

構文に関する記事

Excel関数の引数と戻り値は何だっけ?という時に、役立つ記事です。

ダイアログボックスの使い方に関する記事

Excel関数名は何だっけ?VLOOKUP関数の使い方は何だっけ?という時に、ダイアログボックスを使うと便利です。
下記はそのダイアログボックスに関する記事です。

参照形式に関する記事

関数式をコピーする時はどうしたらいい? $マークは、どう付けたらいいだろう?
といった悩みをお持ちの方は以下をご覧ください。