Excelで顧客データを効率的に管理するためのVLOOKUP関数の使い方

顧客データの管理は、ビジネスにおいて非常に重要です。
しかし、大量のデータを手動で検索し、整理するのは時間がかかり、エラーも発生しやすいです。
そこで、ExcelのVLOOKUP関数を活用することで、顧客データの検索と管理を効率化する方法について解説します。
VLOOKUP関数を使って特定の顧客情報を検索するために、次のような顧客管理シートを作成します。

目次
VLOOKUP関数とは?
VLOOKUP(垂直検索)関数は、Excelでデータを検索する際に使用する強力なツールです。
この関数を使うと、大規模なデータセットから特定の情報を迅速に抽出できます。
本題でないため、簡略化して説明します。
VLOOKUP関数の基本構文は次の通りです:
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)
- 検索値: 検索する値
- 範囲: データが含まれる範囲
- 列番号: 結果を返す列の番号
- 検索の型: 完全一致はFALSE、近似一致はTRUE
例として、特定の顧客IDから名前を検索する場合の構文は次のようになります:
=VLOOKUP(顧客ID, 顧客データ範囲, 名前の列番号, FALSE)

データ分析ドットコムでは、VLOOKUP関連の記事を多数アップしています。
各自拝読してみてください。
こちらのリンクが最もVLOOKUP関数の構文を解説しています。
ステップ1: 顧客データの準備
まず、Excelに顧客データを入力します。以下のように、一部のデータを抜粋した表を準備しましょう:
顧客ID | 名前 | 電話番号 | メールアドレス |
---|---|---|---|
1001 | 伊藤次郎 | xxx-xxxx-xxxx | 54qnp554th@example.com |
1002 | 鈴木三郎 | xxx-xxxx-xxxx | 6kdhfghd@example.com |
1003 | 佐藤太郎 | xxx-xxxx-xxxx | asdfdsfa@example.com |
・・・ |
このように、必要な顧客データをリストアップしておきます。
全データを取得したい場合は、次の「解答付きダウンロードファイル」を参照してください。
解答付きサンプルデータ
解答付きです。
ステップ2: VLOOKUP関数の適用
特定の顧客情報を検索するためにVLOOKUP関数を使用して、
以下のような顧客管理シートを作成します。
この例では、顧客ID ‘1001’ を使用して、関連する顧客の名前を即座に取得しています。

顧客名の取得
名前を取得するために、C3セルに次の式を入力します:
=VLOOKUP($A$3, customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101, 2, FALSE)
- $A$3:検索値(顧客ID)
- customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101:検索範囲
ここで、customer_data_windows_alphanume
はデータが含まれるシート名であり、$A$1:$D$101
は検索範囲のセルを示しています。 - 2:名前の列番号
- FALSE:完全一致

電話番号の取得
電話番号を取得するために、D3セルに次の式を入力します:
=VLOOKUP($A$3, customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101, 3, FALSE)
- $A$3:検索値(顧客ID)
- customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101:検索範囲
ここで、customer_data_windows_alphanume
はデータが含まれるシート名であり、$A$1:$D$101
は検索範囲のセルを示しています。 - 2:名前の列番号
- FALSE:完全一致

メールアドレスの取得
メールアドレスを取得するために、E3セルに次の式を入力します
=VLOOKUP($A$3, customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101, 4, FALSE)
- $A$3:検索値(顧客ID)
- customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101:検索範囲
ここで、customer_data_windows_alphanume
はデータが含まれるシート名であり、$A$1:$D$101
は検索範囲のセルを示しています。 - 4:名前の列番号
- FALSE:完全一致

なお、customer_data_windows_alphanume!$A$1:$D$101は、検索範囲を指定しています。customer_data_windows_alphanume
はデータが含まれるシート名であり、$A$1:$D$101
は検索範囲のセルを示しています。
下図のシートです。

このように、各関数式は基本的に同じですが、取得したい情報に応じて列番号だけが変更されています。
これにより、顧客IDを入力するだけで、名前、電話番号、メールアドレスの情報を自動的に取得することができます。
ステップ3: 実際のビジネスシーンでの応用
顧客サポート
顧客サポートチームは、顧客からの問い合わせに迅速に対応するため、
顧客情報を素早く検索したいケースがあります。
VLOOKUPを使えば、顧客IDを入力するだけで、名前や連絡先などの必要な情報を即座に取得できます。

営業管理
営業チームは、定期的に顧客リストを更新し、ターゲットリストを作成する必要があります。
VLOOKUPを使用すると、新しいデータベースから必要な顧客情報を抽出し、既存のリストと統合する作業が容易になります。

マーケティング分析
マーケティングチームは、キャンペーンの効果を分析するために、特定の顧客データを抽出することがよくあります。
VLOOKUPを活用することで、ターゲット顧客のデモグラフィック情報を迅速に収集し、分析に役立てることができます

VLOOKUP関数の注意点
- 範囲の指定: データ範囲を正確に指定することが重要です。不正確な範囲指定はエラーの原因となります。
- 列番号の確認: 指定する列番号は、範囲内の相対的な位置です。間違った列番号を指定すると、期待した結果が得られません。
- 検索の型: 完全一致(FALSE)を使用することが多いですが、必要に応じて近似一致(TRUE)も使うことができます。
最後に
VLOOKUP関数は、Excelで顧客データを効率的に管理するための強力なツールです。
この関数を活用することで、データ検索の時間を大幅に短縮し、
ビジネスの様々なシーンでの生産性を向上させることができます。
是非、実際の業務で活用してみてください。