【IFERROR関数】使い方と解説

本記事では、Excel 2007に登場のIFERROR関数について詳しく解説します。IFERROR関数は、エラーを表示させたくない場合に有効で、代替値を設定することができます。記事では、IFERROR関数の使い方や文法を解説し、使用例も紹介します。

はじめに

本記事では、Excel 2007に登場のIFERROR関数に関して、取り上げます。

IFERROR関数は、エラーを表示させたなくシーンで有効です。
つまり、IFERROR関数を使って代替値を設定することが可能です。
(ただし、エラー表示はとても大切ですので、使用する際は十分に注意してください)

IFERROR関数を使って代替値を設定することにより、
エラーしているセルに代替値を設定することができるので、グラフ上のエラー値も隠すこと等が可能になります。

IFERROR関数の使い方

IFERROR関数の関数名は、”IF“(もし)と”ERROR“(エラー)の2つの単語が組み合わさっています。

IF“(もし)は、条件判断を行い、真偽に応じて値を返す機能を持っています。
この関数は、もし式の評価値がエラーであれば、指定した代替値を返すように設計されています。

そのため、”IF“(もし)と”ERROR“(エラー)の2つの単語を組み合わせて、
“IFERROR”という関数名がつけられたのだと考えられます。

IFERROR関数の文法

IFERROR関数の文法を解説します。

がエラーであれば、エラーの場合の値を返します。

IFERROR(, エラーの場合の値)

IFERROR 関数の書式には、次の引数があります。

  •  
    • 必ず指定します。 エラーかどうかをチェックする引数です。
  • エラーの場合の値   
    • 必ず指定します。 数式がエラー値と評価された場合に返す値を指定します。
      次のエラーの種類はが評価されます:
      #N/A、#VALUE!、#REF!、#DIV/0!、#NUM!、#NAME?、#NULL!。

IFERROR 関数 – Microsoft サポート より、データ分析ドットコムが改変

使用例

次の関数式は、は「SUM(A1:A5)/0」で、0で除算されてエラーします。
IFERROR関数を使用することで、エラーが発生しても、エラーの場合の値   は「0」が表示されるようになっています。

ただし、「SUM(A1:A5)」の部分でエラーしても、0が表示されます。
本来、修正すべきエラーを隠してしまうため、使用時には注意してください。

関数式:
=IFERROR(SUM(A1:A5)/0, 0) 

結果:
0


また、また、IFERROR関数は、他の関数や式にも組み合わせて使用することができます。
例えば、次のような式がある場合には、IFERROR関数を使用することができます。

良く使用されるケースがVLOOKUP関数との打ち合わせです。

=IFERROR(VLOOKUP(A1,Table1,2,FALSE),"該当なし")


ここでは、VLOOKUP関数を使用して、Table1からA1の値に対応する値を取得します。
しかし、A1の値がTable1に存在しない場合には、エラーが発生します。
IFERROR関数を使用することで、エラーが発生した場合に”該当なし”という文字列が表示されるようになります。

ただし、IFERROR関数は全てのエラーを隠すため、”該当なし”以外のケースでも、エラーを非表示にします。
本来、修正すべきエラーを隠してしまうため、使用時には注意してください。

VLOOKUP関数+IFERROR関数の組み合わせに関しては、次の記事でも解説しています。
XLOOKUP関数の使用を推奨しています。XLOOKUP関数では修正すべきエラーを隠すようなことはないからです。

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最後に

ExcelのIFERROR関数は、エラー値を隠したい場合や代替値を設定したい場合に役立つ関数です。
ただし、修正すべきエラーを隠してしまうため、使用時には注意が必要です。
IFERROR関数の文法をしっかりと理解し、適切に使いこなすことで、Excelのデータ分析作業がスムーズに進むことでしょう。

この記事をきっかけに、自分がどのような業務に使うか考えながら、関数の使い方をマスターしていきましょう。

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