EXCELの豆知識 -ダブルクォーテーション(“)と例外ルールへの考察-

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EXCELを使う際に、
特に関数や数式を書く時に「ダブルクォーテーション(“)」の使い方に迷ったことはありませんか?

ダブルクォーテーション(“”)の基本的な使い方と、
その使用が直感に反する例外ルールについて詳しく説明します。

文字列はダブルクォーテーション(“)で囲むルール

EXCELは文字列を指定する際には、必ずダブルクォーテーション(“)で囲む必要があります。

これは、EXCELが文字列と他のデータ型(数値やセル参照など)を区別するためです。

例えば、「=IF(B1=”Yes”,”OK”,”NG”)」という数式では、
「Yes」、「OK」、「NG」の部分が文字列として認識されるため、
ダブルクォーテーション(“)で囲まれています。

ダブルクォーテーションを使用しないと、
EXCELはこれらを文字列として認識せず、エラーが発生します。

なぜ、ダブルクォーテーション(“)で囲む必要がある?

PCに、ダブルクォーテーションで(“)囲むことは「これは文字列です」と教えるための記号です。

もしダブルクォーテーション(“)で囲まなければ、Excelはこれらを文字列として理解できず、
数値や数式として誤って処理する可能性があります。

Excelの予約語は、文字列を囲まなくてもエラーになりません
これは次のセクションである「例外ルール」に直接関連しています。

予約語とは、Excelがあらかじめ認識しているキーワードのことで、
例えば「TRUE」「FALSE」や「SUM」などが該当します。

ダブルクォーテーション(")を囲む理由


例外ルール

例外ルールは主に3つです。

  1. 文字列ぽいのにダブルクォーテーション(“)で囲まないケース
  2. 見た目が文字列でないのに、ダブルクォーテーション(“)で囲むケース
  3. エスケープのダブルクォーテーション(“)

Excelでは、外見上文字列でない要素にダブルクォーテーション(“)を囲む場合があります。
一方で、見た目が文字列と同じであっても、ダブルクォーテーション(“)を囲まない場合も存在します。

1と2のルールの境界線が曖昧に見えることがありますが、ちゃんとしたルールがあります。

これらの場合には、予約語や特定の関数の使用が関与しています。
このように直感的でないルールを理解し適切に適用することが、Excelの効率的な使用には欠かせません。

3は、ダブルクォーテーション(“)を文字列として認識させたい場合です。

1.文字列ぽいのにダブルクォーテーション(“)で囲まないケース

論理値やセル参照の処理

TRUE, FALSE、セル参照(例えばA1やB1)など、見た目は文字列のようですが、
ダブルクォーテーション(“)を囲みません。

これは、Excelがこれらを予約語または特別な識別子として扱い、
論理値やセルアドレスとして認識する
ためです。

例えば:

  • 「=IF(A1=TRUE, “Yes”, “No”)」は正しい書き方です。ここでTRUEは論理値として認識されます。
  • =A1+B1」はセル参照をそのまま使用します。A1とB1はそれぞれのセルの値として処理されます。

2.見た目が文字列でないのに、ダブルクォーテーション(“)で囲むケース

見た目が文字列でないのに、ダブルクォーテーション(“)で囲むケースがあります。

EXCELの多くの関数では、特定のパラメーターが文字列として要求されるからです。

TEXT関数などの関数式内でのフォーマット指定

TEXT関数で数値や日付のフォーマットを指定する場合にもダブルクォーテーション(“)が必要です。

例えば、日付を特定のフォーマットで表示する場合、「=TEXT(A1, “DD/MM/YYYY”)」のように記述します。
これは、フォーマット文字列全体をテキストとして認識させるためです。

フォーマット文字列をダブルクォーテーション(“)で囲むことで、
EXCELはそれを文字列として扱い、指定されたフォーマットに従って値を表示します。

INDIRECT関数などの関数式内のシート参照

INDIRECT関数でシート参照を動的に指定する場合にもダブルクォーテーションが必要です。

例えば、シート名がセルD1に含まれている場合、「=INDIRECT(“‘”&D1&”‘!A1”)」のように記述します。

シート名とセル参照全体を文字列として認識させることで、間接的なセル参照が正しく処理されます。

COUNTIF関数などの関数式内で不等号を使用する場合

例えば、「=COUNTIF(A1:A10, “>5”)」という式では、不等号(>)と数値(5)を組み合わせた条件を指定します。

この場合、数値であっても条件全体をダブルクォーテーションで囲む理由は、
条件を文字列としてEXCELに認識させるためです。

EXCELはこの文字列を評価し、不等号と数値を含む条件として扱います。

3.エスケープのダブルクォーテーション(“)

エスケープのダブルクォーテーション(")の説明する画像

Excelでは、ダブルクォーテーション(“)は文字列の開始と終了を示す特別な役割を持ちます。

そのため、テキスト内でダブルクォーテーション(“)を普通の文字として表示したい場合、
それをエスケープ(通常のルールから逸脱して扱う)する必要があります。

具体的には、文字列内でダブルクォーテーション(“)を表示するためには、
そのダブルクォーテーション(“)の前にもう一つダブルクォーテーション(“)を置くことでエスケープします。

この方法により、最初のダブルクォーテーション(“)がエスケープシーケンスの開始を示し、
後続のダブルクォーテーション(“)は文字列として認識されるようになります。

例えば、次のような形式です:

= "彼女は""大丈夫""と言った"

この式は、彼女は”大丈夫”と言ったという結果を返します。

文字列内でダブルクォーテーション(“)を(例:”大丈夫”)表示させたい場合、
そのダブルクォーテーション(“)の前にもう一つダブルクォーテーション(“)を置くことでエスケープします。
このエスケープによって、Excelは最初のダブルクォーテーション(“)をエスケープシーケンスの一部として解釈し、
後続のダブルクォーテーション(“)を普通の文字列の一部として扱います。

まとめ

Excelでのダブルクォーテーション(“)の使用は、初心者には少々複雑に感じられるかもしれませんが、
基本的なルールと例外を理解することで、多くのエラーを避けることができます。本記事では、以下のポイントに焦点を当てて解説しました。

  1. 基本ルール:
    • 文字列をダブルクォーテーション(“)で囲むことは、Excelがそのテキストを文字列として認識するための基本的な方法です。
      このシンプルなルールは、関数の引数や条件式内での文字列指定に不可欠です。
  2. 例外ルール:
    • 特定の関数やシナリオでは、見た目が文字列でない要素にダブルクォーテーション(“)を使用する必要があります。
      また、論理値やセル参照など、外見上文字列であってもダブルクォーテーション(“)を使用しないケースもあります。
    • エスケープの使用:
      • 文字列内でダブルクォーテーション(“)自体を表示したい場合は、エスケープとして二重に使用します。
        これにより、文字列中でダブルクォーテーション(“)が普通の文字として扱われます。

このような知識は、Excelを日々使用する上での混乱を避け、より効率的なデータ管理を可能にします。
Excelの機能を最大限に活用し、より複雑な数式やデータ分析をスムーズに行うためにも、
これらのルールと例外をしっかりと理解しておくことが推奨されます。