CHOOSEROWS関数の構文解説と使用ガイド -指定行の抽出-

本記事は ExcelのCHOOSEROWS 関数を解説します。

CHOOSEROWS 関数は Excel 365、Excel 2021 以降で利用可能です。

「チューズロウズ」と呼び、配列から指定した行を抽出するために使用します。

姉妹関数にCHOOSECOLS があります。こちらでご覧ください。

こんな時に便利！

CHOOSEROWS を使わないと・・・

複数の行から特定の行を抽出するために手動でセルを選択したり、
複雑な関数を組み合わせる必要があります。 

CHOOSEROWS を使うと・・・

特定の行を簡単に抽出できるため、 動的に行を選択できます。

CHOOSEROWS 関数とは

配列または参照から行を返します

[関数の挿入]ダイアログより

array から、 row_num1 で選択した行を抽出します。
追加したい行があれば、[row_num2], ...) のように引数を増やします。

なお、CHOOSEROWS は英語の choose (選ぶ) と rows (行) を組み合わせた語源と思われます。

CHOOSEROWSの構文

※[]は省略可能です

第1引数：array(データ範囲)

• 意味: データが入っている表や範囲のこと
• 用途: どのデータから行を抽出するかを指定します
• 例: もしデータが A1:D10 までの範囲にあるなら、そのデータ全体を選びます

第2引数以降：Row_num1, Row_num2, …(行番号)

• 意味: 取り出したい行の位置を示す番号
• 用途: どの行を取り出したいかを数字で指定します
  • 指定方法
    • 正の整数: 左から数えた行番号 (1, 2, 3, …)
      • 例: 1, 3 → 上から1行目と3行目を抽出する
    • 負の整数: 右から数えた行番号 (-1, -2, -3, …)
      • 例: -1, -3→ 下から1行目と2行目を抽出する

CHOOSEROWS 関数の使用ガイド

業務でよく使用されるシナリオにおいて、顧客情報のリストがあります。
このデータを用いて、CHOOSEROWS 関数を使用し、特定の行を抽出する方法を説明します。

顧客ID	氏名	購入商品	金額
101	山田太郎	パソコン	120,000
102	鈴木花子	スマートフォン	80,000
103	田中一郎	タブレット	60,000
104	佐藤二郎	ノートパソコン	150,000
105	伊藤三郎	モニター	30,000

第1例：CHOOSEROWS で 正の数 を使用 (上から1行目と3行目)

正の数 (1, 2, 3, …) のため、上から1行目と3行目を抽出します。

手順：

1. 任意のセルを選択します
2. 以下の数式を入力します： =CHOOSEROWS(A1:D6, 1, 3)
   • [関数の引数]ダイアログボックスの設定：

4. 実行結果は以下の通りです：

顧客ID	氏名	購入商品	金額
102	鈴木花子	スマートフォン	80000

第2例：CHOOSEROWS で 負の数 を使用 (下から1行目と3行目)

負の数 (-1, -2, -3, …) のため、下から1行目と3行目を抽出します。

手順：

1. 任意のセルを選択します
2. 以下の数式を入力します： =CHOOSEROWS(A1:D10, -1, -3)
   • [関数の引数]ダイアログボックスの設定：

4. 実行結果は以下の通りです：

105	伊藤三郎	モニター	30000
103	田中一郎	タブレット	60000

CHOOSEROWS は、行の順序を変えて抽出できる

CHOOSEROWSは指定した行番号の順序通りに行を取り出して返します。
そのため、引数で指定する順序を変更すれば、元の表の行順とは異なる順序で結果を得られます。

最後に

CHOOSEROWS関数は、指定した範囲から必要な行のみを簡単に抽出できる関数です。

さらに、行の順序を変えて抽出できます。

今後、CHOOSEROWS関数を使用したケーススタディを紹介できればと考えています。

解答付きサンプルデータ

解答付きサンプルデータが欲しい方は、下記からダウンロードしてください。

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参考記事：

Excel関数を操作するための基本概念です。基本概念を理解すると、各関数の理解がより深まります。

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