EXCELの豆知識 – *記号のAND と +記号のORの役割とその背景-

記号のAND と +記号のORの役割とその背景のアイキャッチ画像

Excelでは、論理演算1[^1]を行う際に、数値を用いてTRUEやFALSEを表現します。
特に、配列において`*`記号を用いたAND演算と`+`記号を用いたOR演算について理解することが重要です。

記号の役割と使用方法

数値論理値評価対応する論理演算子の記号備考
1TRUE* (AND)0以外の数値はすべてTRUEとして評価されるケースがあるようです
0FALSE+ (OR)0はFALSEとして評価されます

数値0はFALSEを意味し、0以外の任意の数値はTRUEを意味します。
また、`*`記号はAND演算子として、`+`記号はOR演算子として機能します。

Excelでは、論理値は以下のように評価されます。

  • TRUE: 数値1として扱われますが、実際には0以外の任意の数値もTRUEと評価されます。
  • FALSE: 数値0として扱われます。

ブール値の文脈では、「真」は通常「1」を意味し、「偽」は「0」を意味します。
しかし、Excelでは0以外の任意の数値が「真」(TRUE)として扱われることがあります。
したがって、Excelでは数値「2」も「真」と見なされることもあるようです。

なぜ、`*`と`+`なのか?

一見すると、`*`記号と`+`記号は四則演算のため、配列の分野に限った話であると思えます。
しかし、実際にはこれらの記号は0と1に変換されるため、論理演算として理にかなっています。

掛け算 (`*`記号) と足し算 (`+`記号) の数学的特性が、
AND演算とOR演算の論理的な性質に結びついて
います。

AND演算 (`*`記号)

AND演算は、すべての論理値がTRUEである場合にのみ、結果がTRUEになります。
掛け算の特性を反映するために、`*`記号が使用されます。

*記号(掛け算)はAND演算子です

AND演算の具体例

  • TRUE * TRUE = 1 * 1 = 1
    • この結果は1です。1はTRUEです。

  • TRUE * FALSE = 1 * 0 = 0
  • FALSE * TRUE = 0 * 1 = 0
    • どちらのケースでも結果は0です。0はFALSEです。
  • FALSE * FALSE = 0 * 0 = 0
    • この結果も0です。0はFALSEです。

掛け算では、乗数のいずれかがゼロであれば結果もゼロになる特性が、
AND演算の「すべての論理値がTRUEでなければFALSE」という性質と一致します。

OR演算 (+記号)

OR演算は、1つ以上の論理値がTRUEである場合に、結果がTRUEになります。
足し算の特性を反映するために、+記号が使用されます。

+記号(掛け算)はOR演算子です

OR演算の具体例

  • TRUE + TRUE = 1 + 1 = 2
    • この結果は数値としては2ですが、結果はTRUEです(0以外の任意の数値もTRUE)。
  • TRUE + FALSE = 1 + 0 = 1
  • FALSE + TRUE = 0 + 1 = 1
    • これらの結果は1です。1はTRUEです。
  • FALSE + FALSE = 0 + 0 = 0
    • この結果は0です。0はFALSEです。

足し算では、加える数値のうち1つ以上が非ゼロであれば結果も非ゼロになる特性が、
**OR演算の「1つ以上がTRUEであればTRUE」**という性質と一致します。

まとめ

`*`記号と`+`記号は、それぞれAND演算とOR演算に使用される理由は、
数値の評価方法と演算結果が論理的に整合するためです。

Excelでは、数値1がTRUE、数値0がFALSEとして評価されるため、
`*`記号による掛け算と`+`記号による足し算は論理演算において理にかなっています。

  1. 論理演算とは、特定の条件に基づいてデータを評価・操作する操作です。主な論理演算にはAND、OR、NOTなどがあり、これらは条件付き書式、データのフィルタリング、数式内での条件評価などに使用されます。 ↩︎