EXCELの知識 -「テーブル」「表」の違いと使い分け-
フィルタリングの記事をアップ後にアップすること!!!!!!!
EXCELのテーブルは、通常の表とは異なり、新しいデータの追加や数式の適用が自動で行われる特別な形式です。
データを追加すると、フィルター機能や書式設定が自動的に更新されるため、効率的にデータを管理できます。
一方で、テーブル形式では一部のセルだけを参照するのが難しくなる場合もあります。
本記事はテーブルと表の違いを深掘りします。
先に結論を述べますと、
「通常の表」はセル範囲として認識し、「テーブル」はデータベースのテーブルに似た構造を持つ
という考え方です。
以降、通常の表を表と呼びます
テーブルと表との違い
「概念」の違いから理解して「機能」「操作方法」「見た目」の違いを確認してください。
概念
表とテーブルの違いを大きくまとめると、適用範囲(個別セル vs 列全体)と自動性(手動設定 vs 半自動設定)です。
- 適用範囲:個別セル vs 列全体)
- 表
- 各セルが独立しており、個別のセルごとに書式設定や数式を設定できます。
⇒これは、細かい制御と柔軟性が求められる場合に適しています。
- 各セルが独立しており、個別のセルごとに書式設定や数式を設定できます。
- テーブル
- 列全体が一つのデータセットとして扱われるため、数式や書式が列全体に適用されます。
⇒データの一貫性を保つために便利ですが、柔軟性は少なくなります。
- 列全体が一つのデータセットとして扱われるため、数式や書式が列全体に適用されます。
- 表
- 自動性:手動設定(表) vs 半自動設定(テーブル)
- 表
- 設定や更新を手動で行う必要があります。
⇒データの範囲を変更したり、書式を適用する際には、手動での作業が求められます。
- 設定や更新を手動で行う必要があります。
- テーブル
- データの追加や書式の適用が自動的に行われます。
⇒新しいデータを追加すると、テーブルの範囲が自動で拡張され、関連する書式や数式が自動的に適用されます。
- データの追加や書式の適用が自動的に行われます。
- 表
これは、テーブルがデータベースのテーブルに似た構造を持ち、各列が1つのデータセットとして扱われるためです。
テーブルでは列単位でデータを管理するため、列全体への一貫した設定が容易です。
一方、表はセル単位で独立しているため、個別の設定が可能であり、より柔軟な操作が可能です。
この考え方が、以降の記事の違いの根幹にある考え方です。
機能
データの抽出と準備
観点 | テーブル | 表 |
---|---|---|
データの追加や削除 | 〇 | △ |
フィルター機能の適用 | 〇 | △ |
説明:
- データの追加や削除
- テーブルは自動的 テーブルでは、新しいデータを追加すると自動的にテーブルの範囲に組み込まれます
行や列を追加しても数式や書式が自動で拡張され、効率的にデータを管理できます
対して、
表の場合はデータを追加するたびに手動で範囲を調整する必要があります
- テーブルは自動的 テーブルでは、新しいデータを追加すると自動的にテーブルの範囲に組み込まれます
- フィルター機能の適用
- テーブルはテーブルに設定すると、フィルター機能が自動的に有効になりますが、
表では手動でフィルターを設定しなければなりません。
- テーブルはテーブルに設定すると、フィルター機能が自動的に有効になりますが、
次のようなデータの場合も、テーブルではフィルタリング範囲ミスが起きません
フィルター適用時の注意点
フィルターを適用する際には、データ範囲全体を選択することが重要です。
データの途中に空白行がある場合、その行以下のデータがフィルターの適用外となり、分析結果が不完全になるためです。
データの変換
観点 | テーブル | 表 |
---|---|---|
数式や関数の自動適用 | 〇 | × |
条件付き書式の適用 | 〇 | △ |
説明:
- 数式や関数の適用
- テーブルが対象列の全行に適用、表が各セルに適用
- 条件付き書式の適用
- 対象列の全行に適用するため、表のように各セルごとに柔軟な変更ができません
データの分析
観点 | テーブル | 表 |
---|---|---|
テーブル名と列名による参照 | 〇 | × |
説明:
- テーブル名と列名による参照
- テーブルでは、テーブル名と列名を使用してデータを参照できるため、数式や関数でデータ範囲を指定する必要がありません
⇒これにより、名前で簡単にデータを参照できます。 - 一方、表では特定のセル範囲(例: “A1:B10″)を使用して参照する必要があります
- テーブルでは、テーブル名と列名を使用してデータを参照できるため、数式や関数でデータ範囲を指定する必要がありません
データの視覚化
観点 | テーブル | 表 |
---|---|---|
グラフ作成時の範囲指定 | 〇 | △ |
説明:
- グラフ作成時の範囲指定
- テーブルを元にグラフを作成すると、テーブルにデータが追加された場合でもグラフが自動的に更新されます
- 一方、表ではデータを追加した場合、グラフの範囲を手動で更新する必要があります。
操作方法の違い
テーブルは、EXCELの「テーブルとして書式設定」機能を使って作成します。
一方、表は単にセルにデータを入力するだけで完了します。
表はテーブルと違い、特別な設定はなく、必要に応じて手動で書式設定やフィルター機能を適用します。
より詳しい操作はこちらへ
見た目
下図のように、見た目が異なります。
具体的には、テーブルは自動的にフィルター機能や独自のスタイルが適用され、行ごとに色が交互に変わるなどの視覚的な特徴があります。
表とは異なる外観になるため、表とテーブルを区別しやすいです。
ただし、作成者が同じ見た目に設定することもあるため、注意が必要です。
最後に:テーブルと表の使い分け
「表」はセル範囲として認識し、「テーブル」はデータベースのテーブルに似た構造を持つ
という考えを根幹に持って、表とテーブルを使い分けてください。
- データとして扱う場合はテーブル
- ビジュアライゼーションとして扱う場合は表
といった考えに基づいて使い分けると良いでしょう(当たり前と言えば当たり前ですね)。
このような基本的な考え方を踏まえて、表とテーブルの用途に応じた使い分けを行ってください。